本インタビューについて
現在、ドイツ8部のクラブでプレーしている石崎 大翔さんとの対談です。海外挑戦をサポートしているエージェントはIMPROVE/インプルーブさんです。(以下、敬称略)
プロフィール紹介
◯名前:石崎 大翔 (Haruto Ishizaki)
◯出身:岩手県盛岡市
◯所属クラブ:
→ 府ロクサッカークラブ
→ JFC Veragista
→ 明星学園
→TuS Holsterhausen(ドイツ8部)
Q. 石崎選手のサッカー歴と、海外挑戦をした理由を教えてください。
石崎:サッカーは幼稚園から始めて、小中高と続けてきました。選抜歴などは一切ないんですが、高校を卒業してからすぐ3月の終わり頃にドイツサッカー留学に挑戦。現在、渡航して半年以上が経ちます。
(当時受けた)トライアウトは、シーズン後半に差し掛かっていたので、次のシーズンのチームに合流するために受けるという形でした。渡航して最初の1、2ヶ月は長く感じましたが、慣れてくると時間が経つのが早く感じるようになりましたね。
父親の後押しもあり、「一歩踏みだして見よう」とドイツ挑戦を決断
サルウェブ:海外でプレーする意識が芽生えたのはいつ頃でしょうか?
石崎:高校2年生の頃から海外に興味を持ち始めました。もともと海外サッカーをずっと見ていたのですが、実際に行ってみたいと思い始めたのはその頃です。ただ、現地でプレーする人のYouTubeをみたり、情報を調べたりしたのですが、最初は自分も同じことができるとは思っていませんでした。
サルウェブ:気持ちが変わったきっかけはあったのでしょうか?
石崎:明確なきっかけではないかもしれませんが、高校2年生の進路相談の時期だったかなと思います。この時に父親とも話していくうちに、徐々に選択肢として(海外へ挑戦する)怖さがなくなってきて。「一歩踏み出してみよう」と決断することができました。
サルウェブ:そうだったんですね。渡航先としてドイツを選んだ理由はありましたか?
石崎:欧州5大リーグが好きだったので渡航先はヨーロッパを考えていました。ただ、イギリスはビザの兼ね合いで難しく、フランスはリーグ状況が安定していない。残る国で比較した時にドイツが一番住みやすいのではないかと思って、ドイツに決めました。
Q. 海外挑戦に至るまでの経緯(きっかけ)について教えてください。
石崎:サッカー留学について調べていたら、その延長でサルウェブさんを見つけたのがスタートだったと思います。
エージェントさんもたくさん存在していてどの会社が良いかわからなかったので、初めの一歩として、サルウェブさんに問い合わせをした形です。
サルウェブ:ありがとうございます。ちなみにサルウェブのサービスの印象はいかがでしたか?
石崎:1社ずつ自分で問い合わせるのは非常に大変だったので、エージェントさんを複数社紹介していただいたのは非常に嬉しかったです。特にわかりづらかったところとかはなかったですね。
ただ、現地にいる日本人選手との繋がりが今の自分をすごく助けているので、どれくらい日本人が滞在しているかが渡航前から分かったり、もっと繋がれるようになったら良いなと思います。
サルウェブ:貴重なご意見をありがとうございます!エージェントを決定する上で、意識していたことはありますか?
石崎:正直、「海外エージェント」というものに対して最初はあまり良いイメージがなかったので、「信頼できるか、安心できるか」という点を一番意識しました。
インプルーブさんは現地でも対応してくれるスタッフがいることは(決め手として)大きかったです。あとは、長期での滞在を検討していたので、人間性の成長を掲げていたことも魅力的でした。
渡航後は現地のサポートスタッフの方と結構頻繁に連絡を取り合っていて、必要なものや困ったことがあれば相談しています。電車の乗り方や日常生活の問題、例えば家(寮)に炊飯器がなかったので購入できるよう相談したり、チーム練習の日程を確認することもあります。
サルウェブ:練習のことから日常生活のことまで、サポートしていただいているんですね。
石崎:そうですね。これは渡航前から意識していることですが、自分の思い描いているものを常にエージェントさんと擦り合わせて(互いに)イメージがずれないようにしようと思っているので、自分から積極的に相談するようにしています。
サルウェブ:素晴らしいですね。ちなみに、渡航前にもっと確認しておけばよかった、ということはありますか?
石崎:身の回りの生活用品や現地で手に入るもの、必需品などですかね。例えば、ドイツでは貼るタイプの湿布が売っていないとか。もっと細かい部分まで確認しておけばよかったと今では思っています。
逆に、持って行ってよかったもので言えば本ですね。ドイツでの生活に慣れるまでは大変だったので、本を読んで落ち着く時間が取れたのはよかったです。
サルウェブ:インプルーブさんとの契約を決めてから渡航までの期間はどのように過ごしていましたか?
石崎:契約してから渡航までの期間は約2ヶ月ほどでしたが、準備期間中はエージェントさんと連携してドイツ語の勉強を行いました。
特に現地のスタッフさんと、オンラインで日常的に使う表現や数字を学ぶことができたのはアドバンテージになったかなと思います。
Q. ドイツと日本の”違い”について教えてください。
サルウェブ:実際にドイツでプレーを始めてから半年ほど経ちますが、日本との違いは感じますか?
石崎:足元の技術で言えば日本人の方が上手だと思います。反対に、体格やフィジカルというところは差を感じます。180cmくらいの選手がたくさんいるのでそういう人たちと戦わないといけない厳しさがあります。
ただ、相手をいなしたり(相手を)抜くというプレーは問題なくできていると思いますし、むしろ日本を相手するよりもやりやすい感覚があります。
ドイツに渡り、"自分の課題"を肌で感じることができた
サルウェブ:反対に、課題はどういった部分で感じますか?
石崎:そうですね。前で述べたフィジカルの部分ももちろんそうですし、あとは言葉です。
プレーは上手くできていても、言葉を喋れないことで(チーム内での)序列が下がってしまって試合で起用される頻度が少なくなってしまっているのは感じます。なので、その言語の壁を凌駕できるくらいの実力を身に付けないといけないと思っています。
サルウェブ:チームメイトとコミュニケーションを取るだけでも大変そうですね。
石崎:僕のチームには英語を喋れる人が何人かいるので、その人たちに教えてもらったりはしますが、ドイツ語は話せるけど英語は話せないという選手も多いです。また、ミーティングとかも全て英語で説明してもらえるわけではないので、ドイツ語ができた方が確実に良いだろうなと思います。
さらに、言語が分かったとしてもドイツのサッカー文化とか動き方のセオリーが日本とは全然違う。そういった部分も理解していかないと、言語が分かっていたとしても難しいのではないかと思います。
サルウェブ:ドイツでプレーしていて良かったと思う点はありますか?
石崎:自分のプレーを評価された時はやはりすごく嬉しいですね。あと、先ほどフィジカルが課題という話もしましたが、ドイツに来たからこそ肌で感じることができているので良かったと思います。
日本でプレーしている時もサボっていた訳ではないですけど(フィジカル面は)徐々に身につければ良いかなくらいに思っていました。今は自分の弱点として露呈されてしまいますし、フィジカルをつけていかないと上にも上がっていけないと思っています。
Q. ドイツでの生活について教えてください。
サルウェブ:現在はどのような場所に住んでいますか?
石崎:エージェントさんに紹介していただいたシェアハウスに住んでいます。一個上と同い年の日本人と一緒に住んでいて、年が近いのでよく話しますし、一緒に自主練をしたりしていますね。
サルウェブ:それは心強いですね。1週間の行動のスケジュールを教えていただけますか?
石崎:火曜日と木曜日がチーム練習で日曜日が試合です。それ以外は基本的にオフなので自主練をしています。
練習環境はすごく充実していて、チームの人工芝のグラウンドが常に解放されているんです。グラウンドの管理人さんが鍵を閉めた後でも「フェンス飛び越えて帰ってね」と言われるくらい自由です(笑)
あと、学生ビザで滞在しているため、平日の午前中は語学学校に通っています。空いた時間は本を読んだりして気長に過ごしていますね。
サルウェブ:サッカー環境はすごく充実しているんですね。生活面で苦労していることはありますか?
石崎:スーパーが日曜日はやっていないことに驚きましたし困りました。あと、ドイツの人たちは結構口調が強いので怒っているのかな?と思ったりもしましたね。でも実はそうじゃなくて。(ドイツ人は)サッカーをしている時はすごく熱くなるんですけど、終わったあとは何もなかったかのように笑顔で、優しくて心が広いなという印象です。
ドイツでの生活は、日々新しい自分を作っている感覚
サルウェブ:ドイツへ留学に来てから、自身の価値観や内面での変化は感じますか?
石崎:伝えたいことはちゃんと喋らないと伝わらない、ということです。自分が思っていることを自分から伝えに行かないと、ドイツでは日本のように「大丈夫か?」と相手から聞いてくれたりする訳ではない。なので、言葉はよく分からないけど自分から聞きに行くようにしています。
ドイツでの生活は、日々新しい自分を作っている感覚ですし、特にコミュニケーションの部分は成長していると感じます。
Q. 今後のキャリアの展望について教えてください。
サルウェブ:これまでの半年間を踏まえて、今後どんな風にキャリアを積んでいきたいかというビジョンはありますか?
石崎:周りには大学を経てからドイツに来ている人が多い中で、自分は高卒で渡航した分、4年間のアドバンテージがあるのでそこを生かしていきたいと思っています。
上位のリーグになるべく早く行きたいという思いもありますし這い上がっていきたいですが、小さな目標で言えば、一歩ずつ試合に出て成長して一つずつカテゴリーを上げていきたいと思っています。そのためにも、日々積み重ねていくことは忘れずに、やり続けないといけないと思っています。
サルウェブ:まずは目の前の練習や試合から、ということですね。
石崎:そうですね。「自分はこういう選手です」「これくらいの結果を出しました」と言えるような選手にならないと、上のクラブから声はかからないと思うので。まずは活躍して、実績を積んでいくということが大事になると思います。
Q. 最後に、海外挑戦を考えている日本人選手たちにアドバイスをお願いします。
サルウェブ:サッカー留学を検討している日本人選手たちにメッセージをお願いします。
石崎:日本でどれだけ実績を積んでいても、(渡航してしまえば)結局は"現地で何ができるか"という勝負になります。
チャンスが来た時に絶対に逃さないことや、海外と日本とのギャップを感じて苦しかったとしても這い上がっていくことや腐らない反骨心・メンタリティを持ってやれるかどうか、が大事だと思います。ここで踏ん張れるかどうかは自分のキャリアを考えても大きなポイントだと思っています。