File4. 伊達 和輝/Kazuki Date

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本インタビューについて

スペインへのサッカー留学を経験している伊達和輝さん(取材時はドイツ5部のクラブに所属してプレー)と、当時伊達さんの海外挑戦をサポートしたMovementGlobalFootball株式会社 代表 植松慶太さんとの対談です。(以下、敬称略)

プロフィール紹介

◯名前:伊達和輝(Kazuki Date)

◯出身:神奈川県川崎市

◯所属クラブ:向丘SC
⇨ 川崎市立平中学校サッカー部
⇨ C.E.Europa(スペイン) ※U-14,15,16
⇨ C.A.Independiente(アルゼンチン) ※U-17,18
⇨ SV Heimstetten(ドイツ)
⇨ TSV 1860 München B(ドイツ)
⇨ TSV Landsberg(ドイツ)
⇨ Türkgücü München(ドイツ)

Q. 海外での経歴、そして現在の状況を教えてください。

伊達:14歳から約3年間スペインに滞在し、現地の中学校を卒業した後、17歳から2年間アルゼンチンでプレーをしました。

その後、19歳でドイツに渡って、現在はドイツ南部バイエルン州にあるミュンヘンに滞在しています。(インタビュー実施時は、ドイツ5部リーグのTSV Landsbergというクラブに所属。)

ドイツのリーグ戦は夏から始まって、年間通して36試合。カップ戦も含めると40試合ほどあります。

今年はコロナウイルスの影響もあってリーグの中断もありましたが、現在は無事に再開していて、4部リーグへの昇格に向け戦っています。

サルウェブ:14歳でスペインへ渡航するという、非常に早いタイミングでの海外挑戦だったかと思います。海外への挑戦はいつ頃から考え始めたのでしょうか?

伊達:小学校3年生くらいの時からスペインに行きたいと思っていました。それが実現したのが中学3年生のとき。最初は、もちろん両親も「何を言ってるんだ」という感じでした。

サルウェブ:ご両親をどのように説得したのでしょうか?

伊達:両親から「学年で20番以内(約120人中)に入ること」を条件として設けられました。当時、僕は勉強を全くしていなくて学年でも底辺のところにいたんですけど、毎日予習復習をしたりで必死に頑張って条件をクリアして、認めてもらえました。おかげで学力も見違えりました(笑)

スペインへの強い憧れは、13歳からスペインでプレーしていたメッシ選手の存在

サルウェブ:そこまでスペインに憧れたきっかけは何だったのでしょうか?

伊達:当時、実家でWOWOWを見ることができたので、毎週末バルセロナの試合を見ていたんです。カンプノウ(バルセロナのホームスタジアム)にものすごく衝撃を受けて憧れて。もうそこから「ここ(カンプノウ)に立ちたい!」っていう夢が出来ました。

また、小学校3年生の頃からメッシ選手に憧れてました。当時、メッシ選手は18歳くらいだったんですけど、13歳の時からスペインに行っているっていうのをテレビで聞いて。それも重なって、自分も行きたいという気持ちが強くなりました。

サルウェブ:メッシ選手に会ったことはありますか?

伊達:残念ながら、まだありません(笑)ですが、僕がスペインに行った1年目に、メッシ選手のプレーを観戦したことはあります。

その時初めてカンプノウに行ったんですけど、スタジアムについたら、全部が黄金に輝いているくらいキラキラしてて。

とにかくすごかったっていうことしか覚えていなくて、誰がどんなプレーをしたとかもう何も覚えていないです(笑)それくらい、衝撃を受けて帰りました。

一ヶ月間の短期留学が、スペインへの海外挑戦に火をつけた

サルウェブ:スペインへ渡るまでの流れや経緯を教えてください。

伊達:ホームページでMovementGlobalFootballを見つけて植松さん(Movement Global Football 株式会社代表)と出会いました。

僕が当時スペインに行きたい行きたいと言っていたので、中学1年生の夏休みに両親が一ヶ月ほど短期留学に行かせてくれるってことになって。

両親は(スペインに一回行けば)僕がもうスペインはいいやと挫折をして帰ってくるだろうと思っていたみたいなんですが、実際はその逆で「もう絶対行く!」という感じで短期留学から帰ってきました(笑)

その後、中学3年生の時に植松さんに連絡をして長期留学の相談をしました。短期留学の経緯があったので、両親と植松さんとの信頼関係もできていましたし、その点では流れがスムーズだったかと思います。

サルウェブ:スペインへ渡ってから勉強はどうしていましたか?

伊達:学生ビザを取得して、現地(スペイン)の中学校に通いながらクラブチームに所属していました。日本でいうと、学校に通いながらジュニアユースのチームに所属しているのと同じ感じです。

サルウェブ:現在だと、FIFAの規定で18歳未満の選手の国際移籍が禁止されていますよね。伊達選手が移籍された当時は、まだ問題なかったのでしょうか?

伊達:僕が16歳の半ば頃に「18歳未満で現地に親が住んでいない場合は選手登録できない」となってしまって、急に公式戦に出ることができなくなりました。

チームは「18歳になるまで待つよ」と言ってくれて練習には参加させてくれていたんですけど、内心「これからどうすればいいんだ?」ってなっていた時に、ちょうどアルゼンチンの方面から声をかけてもらって、移籍を決めました。

その時はまだ17歳でしたが、アルゼンチンなら試合に出られるかもという話も当時あったので。

サルウェブ:アルゼンチンからオファーがあった経緯は?

伊達:最初のきっかけは友人の伝手でした。最初はもちろん迷いもありましたけど、チャレンジしてみようと思って、決めました。

サルウェブ:実際にアルゼンチンで挑戦する際は、植松さんとの関わり方はどのような形だったのでしょうか?

エージェントとの信頼関係が、アルゼンチンへの移籍の背中を押してくれた

伊達:(Movement Global Footballの)植松さんは本当に優しくて、アルゼンチンに移籍する話があるという相談させてもらった時は「頑張ってこい」という感じで暖かく送り出してくれました。

その後も、現在ドイツでプレーをするきっかけになったドイツ人の代理人の方を紹介してくれたりしました。

植松:僕はスペインを拠点に色々な活動しているのですが、スペインには外国人枠もあるし(スペイン語圏なので)南米の選手がゴロゴロ入ってきて選手層も厚かったり。アジリティーといった日本人の特性がスペインだと活きないなとか、プロになる選手をサポートするっていうことを考えたときにスペインで成功するのってすごい難しいな、という風に思っていました。

そこから他国での受け皿を探し始めましたね。そこで開拓したのがドイツです。

ドイツであれば外国人枠がほぼないようなものですし、日本人の持つアジリティーもスペインより通用する部分がある。実際に、当時ドイツで活躍していた日本人選手も、スペインよりはるかに多かったです。

ドイツの中でも日本人のエージェントが少ないミュンヘンを拠点にしようと思い、そのエリアのエージェントを調べて色々コンタクトをとっている中で繋がったのが、現在伊達選手をサポートしてくれているエージェントさんです。彼から「コラボしようよ」とレスポンスをもらって、僕から会いに行ったのがきっかけでした。

サルウェブ:伊達選手が現在プレーされているミュンヘンですが、他にもプレーされている日本人選手は多いのでしょうか?

伊達:植松さんが仰っていたように、日本人のエージェント(代理人)の多くがデュッセルドルフ周辺に集まっているので、日本人はだいたいドイツの北側かフランクフルトといった中央の地域に多く集まる傾向があります。

なので、僕が知る限りではミュンヘン(ドイツの南側)でプレーする日本人選手は本当に少ないと思います。

ドイツには、ドイツ人の他にクロアチアなどの東ヨーロッパの国の選手が結構いますよ。現チームに所属する前に、1860ミュンヘン(過去に大迫勇也選手が所属していたチーム)のサテライトチームに所属していたのですが、そこはドイツ人が少なくて、アフリカ系と東ヨーロッパの選手で埋め尽くされていましたね。

Q. 現所属チームとの契約内容や生活環境について教えてください。

サルウェブ:現所属チームでの契約内容や生活環境はどのような感じですか?

伊達:今のチームは固定給で、他に交通費、勝利給をもらっています。オファーを頂いて契約したという背景もあって、一応サッカーで生計は立てることができています。

もちろんチームは、自分たちが欲しい選手には良い契約内容を与えるので、練習会に参加してチームに入るのと、オファーをもらって入るのとでは条件が違ってくるんです。

初めて海外挑戦するとなったら、歯を食いしばる時間じゃないですけど、そういう時間も必要だなと今改めて感じますね。

植松:(下積み期間に関しては)やはり最低1年、できれば2~3年は必要というところですかね。

人にもよるんですけど、現地の言葉がすんなり入ってくるようになるのに2~3年、それ以上かかる子もいます。そういった言語の部分もあるし、食事や文化、メンタリティとか、ガラッと変わる環境に適応する期間としてもそれくらいは必要になってくると思います。

もちろん家族からの経済的サポートを受けているとそんなに長く滞在できないケースもあると思いますが、そういった経済的な部分を度外視するとしたら、環境に馴染んで、自信もついてきて、適応が完了するまでに2~3年かけたいかなと思います。

実際は金銭面とのバランスを取りながら何年やれるのかというところになってしまうのですが。

伊達:ドイツでは働きながらサッカーをしてビザを下ろしてもらって生活していく、という選択肢もあります。実際にそうしている人もたくさんいますし。働き口としては、日系企業が多いですかね。

Q. スペインの魅力について教えてください。

サルウェブ:伊達選手の海外キャリアの原点であるスペインという国について、色々伺って行きたいと思います。

伊達:やっぱり、バルセロナとレアルマドリードがある国っていうだけあって、サッカーへの情熱が魅力ですね。

学校にいた時からそうだったんですけど、先生も、サッカーをやってない子たちもみんなサッカーが大好きなんです。そういう、サッカーが文化に根付いている部分が本当に素晴らしくて、サッカー好きにはたまらないところですね。

植松:だんだんプレミアみたいな縦に早いフットボールが主流になっている中で、なるべくパスを繋いで、ボールを大事にしてっていう日本人に似合うというか、日本人が好むフットボールスタイルがスペインにはあるかなと思います。これはヨーロッパの中でもスペインだけだと思うんです。

Q. 伊達選手から見て、スペイン人選手と日本人選手の違いはどこにありますか?

サルウェブ:伊達選手自身が、バルセロナ選抜に選出された経験もあると仰いました。

伊達:はい。当時対戦した中に、ダニ・オルモ選手、ククレジャ選手とか、僕の世代で現在トップでプレーしている選手も何人かいました。

サルウェブ:そういった選手たちと同じピッチでプレーしていて、どのような違いを感じましたか?

伊達:総合値が違うな、と感じました。

例えば、パワー、スピード、判断力、トラップの技術など色々な要素をグラフに表したとすると、当時の僕や一般の中学生は、汚いグラフになっていると思う。でも、バルサの選手たちは全てが高い能力に加えて、なおかつ2~3個飛び抜けた能力があるという感じ

実際に対戦していて総合値の高かった選手たちが現在スペイン代表とかでプレーしているので、「ああ、そういうことだったんだな」という感じです。

サルウェブ:反対に「通用したな」と感じた部分はありましたか?

伊達:俊敏性や細いステップワークとかは僕の武器なんだなと改めて感じました。

実際にその部分のトレーニングを続けていって、アルゼンチンでも同じように感じました。ドイツでも現状そのように感じています。

Q. 植松さんから見て、スペイン人選手と日本人選手の違いはどこにありますか?

サルウェブ:20年ほど選手のサポートを続けている植松さんからみて、日本人選手とスペイン人選手の違いや特徴はどのように映っていますか?

植松:まず、プレー中というのは、始めに状況判断がきて次にその判断を踏まえてどんなプレーがベストかというジャッジをし、実際にプレーする、という状況判断→ジャッジ(決断)→実行(プレー)の三段階の思考が瞬時に行われると思うんです。

日本の子たちはこのうち、最後のプレーの部分、アクションの部分しかトレーニングしていないので「いつどんなプレーがベストなのか」という状況判断の部分が上手じゃないという印象がずっとあります。

一方でスペインの場合は、今はどんな状況か?じゃあどんなプレーが良いか?ドリブルか、シンプルにはたくべきなのか?それともキープして一旦後ろに下げるべきか?という、そのシーンにおいてベストのプレーを判断する力が鍛えられていて、的確に繰り出せるなって言う印象があります

極端な例を挙げると、ドリブルばっかりしてる日本人の子がスペインに来ると、いつ、どんな状況であってもとにかくドリブルを仕掛けるわけですよ。ドリブルが得意なのかもしれないけど、2~3人に囲まれてるのにドリブルで突っ込んでは当然取られますよね。で、取られて逆襲を食らってチームに迷惑をかけてしまう。

でも、スペインの子はドリブルが得意でも、シンプルにワンツーではたいて前に進んでいくとか、自分に敵が2~3人と来たらフリーの選手にシンプルにはたいてチームとして前進させて、来たるべき時にドリブルで仕掛けるみたいな、時と場合を踏まえたプレーができる。

スペイン人選手の上手さは「攻撃面だけ」ではない

サルウェブ:なるほど。

植松:まあ、その違いはもう本当しょうがなくて。

最近日本の育成の環境をみる機会があるんですけども、やはり状況をふまえないアクションの練習ばっかりやっているので、当然それが積み重なったら身につかないなと。練習の仕方や練習に対する考え方の違いが差として出ているなと思います。

もう1つ大きな違いとしては、守備の総合力という部分が違うなと思っています。

長期でスペインに挑戦してきている子は攻撃系の選手が多いんですけど、そういう子は守備の知識、術というものが乏しい印象があります。

スペインの子は相手を好きにさせない体の使い方とかをポジション関係なく誰でもやってくるし、インテンシティ(球際)も強い。逆に日本の子は攻撃から守備への切り替えが遅く、球際も緩い。攻撃系の選手であるほど、こうした守備の能力がスペイン人と比べて低いなと感じます。

日本の場合、育成年代に対する指導の考え方が、昔から現在まで良くも悪くも根付いてしまっている気もしますね。当然、今は選手だけでなく指導者も世界に出ているので、新たな視点や思考を還元する機会は増えているものの、やはりこれまでの考え方が根強くて、新しいことが取り入れられないような空気がまだまだある。

少しずつ浸透している面もあると思うんですけど、そう簡単に進化してはいかないな、という印象はありますね。

Q. 海外挑戦において"プレー環境の選択"をどう考えるか?

サルウェブ:試合に出られた方が成長するという考え方と、試合に出られなくてもレベルの高い環境でプレーをしていたほうが成長するという考え方がそれぞれあると思います。このあたりはどうなのでしょうか?

伊達:僕はまだトップリーグでプレーしていないので一概には言えないですが、自分の中での最終目標に繋がっているのであればどちらを選んでも正解だと思います。目標に対して、自分がどこのリーグに行ってどういうステップを踏んで行かないといけないかっていうのは人それぞれだと思うので。

僕の場合、次の目標としてドイツ3部リーグでプロ契約をしたいという思いがあります。それを達成するための段階を考えた時に、まずは4部の上位チームに入らないといけないと思っています。そのためには、4部のチームでスタメンをとってコンスタントに試合に出るか、5部のチームで2桁ゴールを取るとか、圧倒的に活躍する必要がある。

こうやって、自分の目標達成のためにどういったステップを踏めば良いかを考えて判断することがベストだと思います。

実際に、僕がドイツ4部のチームでプレーをしていた時期は、怪我をして5ヶ月離脱したり、試合にあまり関われませんでした。チームの中でもサブメンバーと分かっている状態で練習に参加していました。

その後も4部のチームと契約したい気持ちもありましたが、現在は5部のチームと契約しています。5部チームで完全にスタメンを取れていて試合に絶対に出ています。シーズン途中で6ゴール4アシストしているので自分の頑張り次第ですけど、このままいけば2桁ゴールはいけるかなという感じ。

そしたら4部の上位チームにいくチャンスも出てくると思います。なので、何が正しいかの結論は本当に人それぞれだと思います。

"どのカテゴリに行くか"よりも"試合に出続けられるか"の方が大切

植松:(伊達選手が言ったように)選手が直面している環境によって、その時の正解っていうのが変わるかなっていうのは思いますね。

ただ一般的な話をするのであれば、僕はもう試合にとにかく出て欲しい派なんですね

よく、留学1年目の選手からスペイン5部には最低入りたいとか、4部に入れないか?といった相談を受けるのですが、基本的にレギュラーとして「主力として出られる場所がベストだよ」という話を常にしています。とにかく選手ってベンチ温めるだけで終わってしまったら、もうどんどんパフォーマンスが劣化していくので

一つ例を挙げるとするならば、スペイン留学1年目に5部のチームに入れた子がいたんです。高卒で留学1年目に5部って決して悪くはないんですよ。

ただ、ずっとベンチだったんです。そして2年目にどこのクラブへ移籍したかというと、6部のチーム。逆に、1年目に6部でバリバリレギュラーとして活躍した子が、2年目に5部に上がったっていうパターンもあったんです。2年目の時点で比べたら、完全に逆転しているわけなんですよね

しかも後者の子は1年目で、言葉が分からないながらスペインでバリバリ主力としてやりましたっていう自信も踏まえての2年目だった。一方で前者の子は、1年目に言葉もおぼつかない中で、試合にも満足に出た記憶が無い状態で、なんとなくトーンダウンして自信を失った中での6部ってなると、もう2年目の自信とかメンタリティーとかが全然違ったんですね。

極端な話、例えば1部や2部リーグでものすごいレベルの高い人たちに囲まれて普段から練習できるけど試合には出られないっていう環境と、7部でレギュラーとって毎試合出る環境、どっちがいいのってなるとそれはさすがに前者の方が良いかなと思います。

けれど、「5部か6部だとどっちがいいの?」みたいなレベルでやり取りする場合は、基本試合に出られる環境に1年身を置いてほしいなっていうのが、サポートしている身分からするといつも思うことですね。

やっぱり試合の体力、試合での緊張感、試合でプレッシャーがかかる中でのパフォーマンスっていうのは、もう練習では身につかない。その上で、和輝(伊達選手)が言ったように、その選手一人一人の状況で違う答えがあるかもしれない。

一概には言えないんですけど、とにかく試合に出られる環境っていうのはすごい重要かなと思います

Q. 「選手」と「エージェント」の関係性について教えてください。

サルウェブ:伊達さんからみてエージェントである植松さんはどういった印象ですか?

伊達:もう、恩師みたいな感じです。

海外のトップレベルのサッカーを見てきている人が、僕みたいな、普通に部活でサッカーをしていた無名の中学生に対して普通は期待を抱いてくれないと思うんです。

でも、植松さんはそんな僕の"やる気"や"情熱"を買ってくれた

そういう暖かさと、サッカーへの情熱を持っているというのが他のエージェントさんには無いようなところだと、僕は思います。

植松:和輝(伊達選手)は不器用なタイプだと思うんですけど、とにかく感心するほど真面目で努力家。そんな和輝が、努力でどこまでたどり着けるのかというのを僕も見てみたいんです。本当に、雑草根性の期待の星だと思っているので、突き進んで欲しいなと思います。

正直、色んな選手をサポートしてきた中で、和輝より上手な子は他にも居ましたけれど、逆にそういう子はひたむきに努力する、がむしゃらに努力する、というのができなくて、もう今はサッカーを辞めてしまっている子もいます。

なので、最後にしぶとく残るのは、和輝みたいなタイプなのかなと思っていますね。

Q. 最後に、海外挑戦を考えている選手へ向けてメッセージをお願いします。

伊達:僕はこれまで(日本を抜いて)3ヶ国でプレーをしてきましたが、その経験から確実に言えることは、海外挑戦をするのであれば"持久力"や"スプリント力"といったいわゆるフィジカルコンディションを最高レベルに仕上げて挑戦することが大切です。

そこで契約できるチームや契約内容も断然変わってくると思います。

植松:和輝の話に補足すると、例えば高卒の子が海外挑戦するときに、3月に卒業してからシーズンの始まる7~8月までに3~4ヶ月空いてしまうんです。もっというと、選手権予選で部活が終わってしまっていたら半年以上ブランクが空いてしまう。なので、トライアウトに来るタイミングでのコンディションはどうしても落ちてしまうんです

自分で自主トレしていたとしても、試合感が遠ざかって居たりもする。なので、最高レベルのコンディションで来てる子っていうのは皆無なんです。日本とシーズンがずれている分、難しいところがあるんですけどね。

なので、日本でどこかの社会人チームに入り込むとか、母校でトレーニングさせてもらうとか、どんな形でも良いので試合感を仕上げてしっかり準備した上で来ることが、(海外に来てから)より良いチームに所属して、良いスタートを切るためのポイントになると思います。

海外挑戦の道は本当にいろんな子に開かれています。高校生年代で全然上のレベルでプレーしたことのない子でも、サッカーがとにかく好きで、世界のサッカーが知りたいという子でも、門は開かれている。チームなんて本当にいくらでもある。また、指導者やトレーナー、理学療法士の勉強をしたいとか文武両道でチャレンジするという道もあります。

とにかく、色んなことにチャレンジする気持ちがある子には門が開かれているということは言いたいです

日本の外には色んな世界があって、プロになれるとかなれないとか、目標が達成されるされないに関わらず、その後の人生にとって何かしらの得るものがあると思うので。ぜひ、世界に飛び込んでいく若者がもっと出てくるといいなと思います。

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