日本の高校生選手から昨今人気を集めているアメリカの大学へのサッカー留学ですが、アメリカの大学リーグの構造は(日本のように)完全なピラミッド型になっているわけではないことを知っていましたか?
今回の記事では、アメリカの大学サッカーの主要リーグについて解説していくので、ぜひ参考にしてみてください。
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目次
アメリカの大学サッカーリーグの仕組みとは?
リーグ名 | 所属大学 | リーグ構成 | スポーツ奨学金の有無 |
---|---|---|---|
NCAA | 四年制 | 3部 | ◯ |
NAIA | 四年制 | 3部 | ◯ |
NJCAA | 二年制 | 3部 | ◯ |
CCCAA | 二年制 | 1部 | × |
NWAC | 二年制 | 1部 | × |
前提として、アメリカの大学サッカーはシーズン開始が9月、シーズン終了が12月です。シーズン終了後の年明け(1月)からは、選手たちを学業に集中させるため試合が組まれることは多くありません。
9月~12月の約4ヶ月間で各チームおよそ20試合ほどを戦うことになるためスケジュールが非常にタイトで、11月~12月には各リーグでナンバーワンとなる大学を決定するためのトーナメントが開催されます。
また、学校がどのリーグ・カテゴリに所属しているかは(大学の)資産規模や所在地にも大きく依存します。
所属しているリーグやカテゴリが直接的に大学サッカー部の強さを表しているわけではなく、入れ替え戦なども存在しません。(例えばNCAAのDiv.1のランキング下位のチームよりもDiv.2のランキング上位のチームの方が、選手のレベルが高くや設備や環境が充実しているケースもあります。)
NCAA(National Collegiate Athletic Association)
NCAA(全米大学体育協会リーグ)の中でも、特にNCAAのDiv.1はアメリカ大学サッカーの中でも最高峰のリーグと言われています。
加盟大学数はおよそ1,000校で、部員数(Roster)は1校につき約30名。「プレーできるのはアメリカの学生の上位1%のみ」と言われるほどレベルの高いリーグで、世代別代表になるような選手も多く集まっています。また、NCAAからプロ選手やオリンピック選手も多数輩出しています。リーグのレベルが高い分、選手登録の条件も厳しく、サッカーと勉強の両面で非常に高いレベルを求められます。
カテゴリ | スポーツ奨学金の有無 | フルスカラーシップの制限 |
---|---|---|
Div.1(1部) | ◯ | 男子10名分、女子14名分 |
Div.2(2部) | ◯ | 男子9名分、女子10名分 |
Div.3(3部) | × | なし |
NCAAはDiv.1とDiv.2の大学サッカー部に対して巨額の奨学金を分配しており、卒業するまでに2,000万~3,000万円相当の支給(スカラーシップ)を大学から受ける選手も存在します。(大学側はスカラーシップを部分的に多数の選手に分配することも可能で、例として10名分の奨学金を半額ずつ20名に分配することもできます。)
スカラーシップ獲得の可能性があるDiv.1やDiv.2の大学は多くの学生から人気がある一方で、競争率も高く、且つ、レベルの高い大学ほど求められる英語力も高いです。
日本の高校を卒業してから初年度でNCAAのDiv.1やDiv.2の大学に入学するハードルは非常に高いため、まずはNCAAのDiv.3の大学や二年制大学(ジュニアカレッジ)へと入学し、その後にNCAAのDiv.1やDiv.2の大学への編入を狙うケースも多いです。(ちなみに、NCAAのDiv.3の大学はスポーツ特待生という形でのスカラーシップは禁じられています。)
NCAAの主な大会(公式戦)
NCAA レギュラーシーズン
カンファレンス内で行われるリーグ戦と、別のカンファレンスのチームとの試合があります。9月にシーズンが開幕し、レギュラーシーズンの試合結果はRPI(全米大学ランキング)に影響します。
NCAA Div1 Men's Soccer Tournament(College Cup)
11月~12月に開催される48チーム参加のノック・アウト・トーナメントで、全米チャンピオンを決める大会です。
22のカンファレンス(地域ごとのリーグ)の1位クラブが自動出場権を獲得することができ、残る26枠はレギュラーシーズンの結果などに基づいて委員会によって選ばれます。
選ばれた48チームの中のランキング上位16チームはシードで初戦が免除されます。
NAIA(National Association of Intercollegiate Athletics)
NAIA(全米大学体育協会)は、主に小規模な四年制大学が所属しています。NAIA National Championshipという16チームのノックアウトトーナメント方式の大会が11月末〜12月初めに開催されます。
カテゴリ | スポーツ奨学金の有無 | フルスカラーシップの制限 |
---|---|---|
Div.1(1部) | ◯ | 男子12名分、女子12名分 |
Div.2(2部) | ◯ | 男子12名分、女子12名分 |
Div.3(3部) | × | なし |
サッカーのレベル感は一概に言えませんが、一般的にはNAIAのDiv.1がNCAAのDiv.2〜Div.3と同程度と言われています。
NCAAと同様、NAIAのDiv.1・Div.2がスポーツ奨学金の対象で、Div.3の大学にはスポーツ奨学金はありません。フルスカラーシップの制限は1校につき(男女ともに)12名です。
NCAAよりは比較的、入学や選手登録(Roster)がしやすいという利点はありますが、大学サッカー部でプレーを継続するために高い学力を維持することは必須です。また、スカラーシップを得られたとしても、規模や資金力という面ではNCAAに所属する大学よりも一回りほど小さくなるので、その点は頭に入れておきましょう。
NJCAA(National Junior College Athletic Association)
NJCAAは、アメリカの二年制大学(ジュニアカレッジ)の中でも最もメジャーなリーグです。
二年制大学(ジュニアカレッジ)の本来の目的は、2年間でしっかりと一般教養科目と基礎科目を勉強し身につけること。四年制大学よりも学費が低く、且つ、入学時に求められるTOEFLスコアも低い傾向にあります。また、1チーム(大学)あたりの平均部員数は約20名と四年制大学ほど多くないため、四年制大学よりもサッカーの出場機会を勝ち取りやすいことが特徴です。
NJCAAは次のステージに進むための舞台として最適な環境なので、NJCAAの大学で実績や経験を積み、NCAAやNAIAといった規模の大きな四年制大学へステップアップ(編入)を目指す選手も非常に多いです。
カテゴリ | スポーツ奨学金の有無 | フルスカラーシップの制限 |
---|---|---|
Div.1(1部) | ◯ | 男子18名分、女子18名分 |
Div.2(2部) | △ | - |
Div.3(3部) | - | - |
NJCAAのDiv.1の大学であればフルスカラーシップを受けることができる枠が多いことも大きな魅力です。ちなみにDiv.2の大学は授業料・手数料・教科書代のみ免除が可能で、Div.3の大学はスポーツでのスカラーシップは認められていません。
四年制リーグと同様ですが、NJCAAで定められている学業成績を維持できない場合、残念ながら試合出場権利は剥奪されてしまうので注意しましょう。
CCCAA(California Community College Athletic Association)
CCCAAは、名前にも入っている通り、スポーツが盛んなカリフォルニア州内の80校~100校ほどの大学で構成されているリーグです。
原則として奨学金は発生しませんが、有望な選手が集まった大学は四年制大学以上のレベルのチームも存在するほどで、州内外の名門校への編入率が高いことが特徴です。
NWAC(Northwest Athletic Conference)
NWACは、アメリカ北西部(オレゴン州・ワシントン州・アイダホ州・ブリティッシュコロンビア州)の4つの州で構成されているリーグです。
約30校の短期大学が所属しているリーグで、原則として奨学金は発生しません。全米大会は無く、構成されている4つの州の中でチャンピオンを決定する大会があります。
短期大学ということもありサッカーのレベル感は高すぎず、また移民に対してフレンドリーな地域としても知られている州なので、アメリカ留学に不安を抱える日本の高校生にとっては比較的チャレンジしやすいリーグとも言えます。一方で、全米大会も無くクローズドな環境であることは否定できないため、多くの大学からオファーを得たい選手にはあまり向いていないかもしれません。