本インタビューについて
現在、スペイン6部のクラブでプレーしている藤田 辰右衛門さんとの対談です。海外挑戦をサポートしているエージェントはBALONTOKIOさんです。(以下、敬称略)
プロフィール紹介
◯名前:藤田辰右衛門(Shinemon Fujita)
◯出身:大阪府吹田市
◯所属クラブ:
→ 天王学園sc
→レオsc
→立命館守山サッカー部
→立命館大学サッカー部
→E.F Concepcion (スペイン6部)
Q. 藤田選手のサッカー歴と海外に渡航しようと思ったきっかけを教えてください。
藤田:幼稚園の年中からサッカーを始めて、今までずっとサッカーを続けています。中学はクラブチームで、高校・大学は部活動でプレーしていました。
サルウェブ:サッカーを始めたきっかけはありますか?
藤田:幼稚園の年中時から課外活動というのがあって、その時に親から何かスポーツをやったほうが良いと言われたんです。選択肢として野球かサッカーがあったのですが、感覚でサッカーを選びました。
そこからずっとサッカーを続けて、大学4回生の12月下旬にスペインに渡航。その時にはもう大学の単位をほとんど取り終わって、あとはゼミだけという状況だったので、教授に話して融通を効かせてもらいました。なので、卒業式にも出ていません。
よりサッカーに集中できる環境を探して海外へ
サルウェブ:海外に目を向けたきっかけはありましたか?
藤田:海外に行きたいなと思ったのは、大学の2回生か3回生ぐらいの時でした。大学サッカー部の理念と自分の考え方が合わない部分があって。もっとサッカーに集中して本気で取り組める環境が良いなと感じていたり、思うことがたくさんあったんです。長くサッカーをやってきたのにそういう気持ちで(選手生活が)終わってしまうのは嫌やなと思ったことが理由の一つです。
上手くなるために学べる環境が整っていて且つステップアップもできたら良いなと思っていたので、それも踏まえて海外に行くならどこが一番良いのかを大学2~3回生の頃から自分なりに調べ始めました。最終的に、大学4回生の春から夏頃にスペインに行くと決めました。
「本当に海外でサッカーをしたいのか」自分自身へ問いかけた
サルウェブ:なるほど、より集中してサッカーを学べる環境を求めたということですね。海外に挑戦しようと決めてからはどのように準備を始めたのでしょうか?
藤田:海外のサッカー留学について調べ始めて、一番最初は大手のエージェントさんのサイトにたどり着いて、お話を聞きました。
サルウェブ:情報を集め始めた時は悩みや不安はありましたか?
藤田:「エージェントさんがどういう方なのか」というのは不安でした。やはり安くない金額を支払うので、その人に対する信頼が大事だと思っていました。
あとは、「自分はなんで海外でサッカーをしたいんや」っていう、自分自身に対する悩みがあってずっと問いかけていました。
サルウェブ:当初はご自身の中で、なんで海外でサッカーをしたいのかまだ気持ちが固まっていなかったということでしょうか?
藤田:そうですね。海外でサッカーをすることがゴールではないというのは分かっていたのですが、海外に行きたいと思ったのも、大学でサッカーを十分にできなかったという少しマイナスな気持ちから始まっているので。なぜ海外でサッカーをやるのかという点を自分の中で充分突き詰められていなかったんです。
ただ、こういう風に感覚で感じることはそれまでの自分の経験から来ているものだと思っているので、海外に行きたいと思う何かしらの理由があるとは思っていました。
あとは、いわゆる5大リーグ以外にもモンテネグロであったり色々な国が選択肢としてあることを知って、自分にとってベストな国はどこなのかという点も悩んだ部分です。初めはわからないことが多すぎて、何を基準に決めればいいかも分からなかったので、とにかく全体的に情報を仕入れておくことは大事だと思っていました。
なので、自分で調べた中でも情報が少ない国などについて知りたいというのもありサルウェブさんに問い合わせました。
サルウェブ:ありがとうございます。自問自答を繰り返す中で、海外に挑戦する理由や、スペインという場所を選ぶ理由は出たのでしょうか?
藤田:そうですね。初めから、”海外に行ってプロになる”という目標は変わっていないのですが、そこに至るまでの過程が初めのイメージとちょっと変わりました。
当初は、海外でプロになるためにとにかくお金を稼がないといけないし、どういう場所であっても自分が結果を残して上に上がるんだという思いだったのですが、色々と情報を調べたり自分に対して問いかけをしてみた結果、そうではなくて自分がどういうサッカーをしたいのか、サッカー選手としてどういう位置にいるのかという方が大事だと思いました。
また、サッカーをもっと深く知りたいと思ったので、 ステップアップリーグと言われている国よりも、自分がサッカーを学んで理解できて、その上で厳しい世界の中でレベルアップしていくことができるという環境が自分にとっては合ってるなと感じました。
サルウェブ:今おっしゃっていた環境が整っているという点だと、ドイツなどもスペインと同じように候補になったのではないかと思うのですが、スペインを選ばれた理由はあったのでしょうか?
藤田:その点は最後まですごく悩みましたが、言語がスペイン語の方が汎用性があるなと思いました。あとは、サッカーのスタイルでいうとむしろドイツの方が日本人に合っているという印象ですが、スペインの方が戦術的にサッカーをする歴史がしっかりとあったので、スペインでプレーしたいなと思いました。
Q.エージェント選びで重視したポイントを教えてください
サルウェブ:契約するエージェントを決める上でのポイントや大事にしていた点はありますか?
藤田:絶対に見ていたのは人柄です。話していてどういう人なのかはすごく気にしていましたし、反りが合うというか、話しやすいかどうかが一番大きかったです。
多くのエージェントさんが、費用面含め色々なプランをたくさん提案してくれましたが、情報を多く提示されることでかえって訳がわからなくなる感じも正直ありました。ただ相場に対してどこも大きくは変わらないなという印象だったので、金額も気にしていましたがそれよりも人柄の方を重視しましたね。
海外に挑戦する日本人が少ないこともあってか、どうしても情報が少なくてわからないことが多く、留学に関する正しい軸みたいなものが無い状態なので、正直自分はその人の人間性を見るようにするということしかできなかったです。
サルウェブ:BLONTOKIOさんと契約されてから、実際に渡航されるまでの期間はどれくらいだったのでしょうか?
藤田:契約したのが夏くらいで、渡航が12月だったので半年ほどです。
サルウェブ:その間はどのような準備をされたのでしょうか?
藤田:ビザの準備と、自分は大学の第二言語がスペイン語だったので、それで勉強していたくらいです。
サルウェブ:ちなみに使用しているビザの種類はなんでしょうか?
藤田:ワーキングホリデービザですね。とりあえず1年半という期限を決めてスペインに来ているんですが、僕が渡航したのが12月で、シーズン途中からの参加だったんです。2024年8月から始まる新しいシーズンをしっかりとプレーしたいので、(ワーキングホリデービザの期限が切れたら)学生ビザに切り替えようと思っています。
次のシーズンを丸々プレーして、自分が金銭的な面で生活できるレベルに達していなかったら、諦めようという予定です。
Q. 日本とスペインの違いを教えてください
サルウェブ:今周りで同じような日本人選手はいるのでしょうか?
藤田:結構多いですね。自分より長く滞在している選手もいるのですが、そういった選手たちは学生ビザで、語学学校に通いながらプレーしていることが多いです。
サルウェブ:ちなみに現地のチームに外国人枠はあるのでしょうか?
藤田:スペインは結構厳しいみたいで、外国人だからっていう理由で獲得しないことも結構あるみたいです。枠の数に関してはリーグのカテゴリーによって変わるみたいで、自分もよくわかっていないのですが、アマチュアのカテゴリーでも外国人枠は決まっています。
サルウェブ:現所属チームのカテゴリーを教えてください。
藤田:今のクラブは6部ですね。BALONTOKIOさんに紹介してもらって練習参加をしたチームでプレーしています。チームメイトのほとんどがスペイン人で、監督はアルゼンチンの方です。
サルウェブ:初めて現地でプレーされた時の感触や印象はいかがでしたか?
藤田:最初にサッカーした時はめちゃめちゃレベル低いなと、正直思いました(笑)ただ、やっぱりやっていくうちに自分が思っていたサッカーが海外と日本では違っていることに気が付きました。
自分がやっていたサッカーが間違っていたというわけではないのですが、自分の中のサッカーへの見方が覆されるような感覚です。
また、日本とスペインだとサッカーに対する評価基準が違っているように思います。日本だと足元の技術がうまい選手だったり、目に見える活躍が重視されてると思うのですが、スペインだとその状況に応じて自分がしなきゃいけないことができる選手であったり、 チームのために貢献できる選手がよく評価されるなっていう印象があります。
その上で他の選手との違いを出せると、自分自身の価値になりますし、上に上がっていけるという仕組みがあるなと、なんとなくですが感じています。
サルウェブ:なるほど。そういうサッカー的な違いは練習内容にも感じますか?
藤田:そうですね。スペインの方がやっぱり戦術的な練習が多いかなと思います。
ただ僕がいるチームは結構勢いでサッカーをする部分があるので、監督がアルゼンチン人ということもあるせいかあまり戦術的な練習をするわけではないです。ですが、選手一人一人の判断力は全然違いますね。
スペインで求められるのは”判断力”
サルウェブ:スペインの選手の方が日本の選手よりも判断力が優れているということでしたが、そういう部分を日本よりも普段から求められるから、そこが伸びていくという感じでしょうか?
藤田:そうですね。海外ではそこ(判断力を求めること)は当たり前の部分になってると思います。
日本ではそれが求められないと言ってもおかしくないと思いますし、逆に日本だと技術的なところ、例えば足元でどう捌くかといった点が求められていると思います。
サルウェブ:そんな中でスペインに行かれてから、自分が通用すると感じたプレーなどはありましたか?
藤田:足元の技術的な部分はチームの中で一番うまいと思っているんですが、そこがまだ自分の価値にはなってないかなとも思っています。自分が足りていないところを改善したら、そこが武器になると思うので、練習で考えて修正してこっちでの基準値に持っていこうとしている段階です。
すごく極端な例で言うと、練習でのボールコントロールは誰よりもうまいけど、実践形式になった時に、判断の面などでうまくプレーできないという感じです。
正直、6部のレベルだとごまかしが効くので、足りてない部分を周りに知られることはないと思います。ただ、実質的には自分は他の選手に比べてスペインのサッカーで求められている部分が足りてないです。
サルウェブ:そうすると、今の最大の課題は”判断力”の部分にあると感じているのでしょうか。
藤田:そうですね。やはり自分のやりたいプレーをすれば良いわけではないので、相手の対応に対して自分がどんなプレーをするかが大事ですし、そこが一番の課題かなと思います。この辺りは、日本にいるときと考え方が変わったように感じています。
どうやって点を取るか考えるのは当たり前のことじゃないですか。ただ、それを実際にこうしようという手段の部分が日本にいた時はめちゃくちゃだったなと今になって思います。
スペインの方がゴールに対しての道筋がしっかりと確立されていて、いろいろな通り道がある。でも日本はそこが迷路みたいになっていますし、ゴールのためにというよりは自分本位なプレーをしてしまう。スペインではあくまで得点をするために相手を見てサッカーをして、その相手をどう欺くかを考えて、道筋も見えているという感覚です。
自分ができないことに対して、その原因を考えながらトライすることをずっと繰り返してやれるのはすごく学びになるので嬉しいですね。
サルウェブ:もともと結構考えてプレーするタイプなのでしょうか?
藤田:いや僕、あまり考えないんですよ(笑)今はめちゃくちゃ考える人に見えるかもしれないですけど、基本的には感覚でプレーするタイプです。
サルウェブ:そうなんですね。例えば、ドイツなどに行った選手はフィジカルの違いをよく課題として挙げられるのですが、その点はいかがですか?
藤田:そこも違いはあると思います。どちらかというと体の使い方のような部分ですね。
体格がそこまで大きく違うわけではないのですが、例えば1対1の局面で自分がうまくボールをコントロールできなくて相手が触れる場所にボールを置くと、日本よりガツンとプレッシャーが来るので、そういった細かいミスは許されないなと感じています。
サルウェブ:言葉の面はいかがでしょうか、全くまだわからないという感じですか?
藤田:はい(満面の笑み)
サルウェブ:そんな笑顔で(笑)結構大変じゃないかと思うのですがいかがですか?
藤田:ほんまに難しくて。語学学校で習っていることと、実際に現地で使われている言葉とか、速さは全然違うので、言語の壁は感じています。
サルウェブ:プレー中のコミュニケーションはどうしているのでしょうか?
藤田:ジェスチャーとかで大体こういうことを言っているだろうというのを予想していますね。ただ、言語に関しては本当にこれから習得していかないといけないなと思っています。
スペインで増えた自分と向き合う時間
サルウェブ:次に生活面についてお伺いしたいなと思います。まず今住んでいるのはどういったところなのでしょうか?
藤田:BALONTOKIOさんがとってくれた家でコロンビア人と2人のギニア人とシェアハウスをしています。あくまで一緒に生活する関係なので、友達みたいにはならないですけど、普通に喋ったりしますね。
サルウェブ:いいですね。そういう別の国の方と一緒に生活したり、スペインで生活する中でカルチャーショックはありましたか?
藤田:僕は多分結構恵まれている方で、そういうのもあまりないのですが、例えばで共用で使うフライパンの油があまり取れてないとか、排水溝が少し汚いとか、その程度なので全然大丈夫です。
サルウェブ:治安などそういう点はいかがですか?
藤田:実は治安が悪いところに住んでいるみたいで(笑)
ビジャベル・デ・アルトというところなんですが、日本人のインスタグラマーでスペインに在住している人の投稿を見たら、ここだけはやめておけみたいなランキングの3つ目に出てきていて。
夜中に1人で出歩かないみたいなことはちゃんと守らないといけないですし、駅で大麻吸っている人がいたりはしますけど、普通に生活していれば大丈夫で、今のところ危険な目にはあってません。
サルウェブ:スペインの方の人柄はいかがですか?
藤田:優しい方が多いですね。あとは基本うるさくて、結構おしゃべりな人が多いです。
サルウェブ:スペインでの生活には慣れましたか?
藤田:そうですね。練習も電車でいきますし、食事も買い物に行って自分で作ってみたいな感じです。こっちはすごく食材が安いので、円安なので少し厳しいですけど、自炊すれば結構安く済みます。
サルウェブ:今はクラブからお給料をもらっているでしょうか?
藤田:もらってないですね。勝利給とかも特にありません。
サルウェブ:6部のカテゴリーだとそれは当たり前なのでしょうか?
藤田:6部だともらってないチームの方が少ないみたいで、それこそ勝利給とかそういうのが出るのが普通みたいです。そういう点も含めて、もう一つ上のカテゴリーを目指したいなと思っています。
サルウェブ:なるほど。来季は別のクラブのトライアウトを受けるのでしょうか?
藤田:その点は迷っていて。お金をもらえるところに行けて試合に出られたらいいですけど、そうではないリスクもあるので。条件のいいところが上手く見つかれば移籍したいなとは思います。
サルウェブ:5部と6部ではレベルが結構違うと聞きますが、その点はいかがですか?
藤田:そうですね。4部、3部までいけばサッカーで普通に生活ができるレベルになるみたいですし、このカテゴリーだと1つ上がるだけで結構レベルは変わると思います。
サルウェブ:周りの日本人選手で、そういったレベルにチャレンジしている人はいますか?
藤田:正直周りではあまり聞かないので、3部、4部の壁は結構あるみたいです。
サルウェブ:海外に挑戦する前と後で、自分の中で変わったなと感じる点はありますか?
藤田:さっきの話と少し重なりますが、プレー面は変わりました。自分が今何をすべきかを考えるようになったと思います。
それ以外の価値観とかはあまり変わらないですが、一人になる時間が長くなったので、自分と向き合う時間はすごく増えたなと思います。サッカーを引退した後のことであったり、 自分がどうしたいのかとかといったことをすごく考えるようになりました。
サルウェブ:今おっしゃっていた、今後のキャリアとしての目標やこうしたいという希望はありますか?
藤田:サッカー選手としてはお給料がしっかりもらえるレベルまで行きたいなと思っています。なので、とりあえず今は6部で結果を残すことしか考えてないですね。
サッカー以外の面ではいろいろ考えるんですが、やりたいことが全く見つからないというか、自分が社会にどういった貢献ができるんだろうかって考えたときに、サッカーしかやってこなかったので、サッカーの後のことを考えると、やっぱり難しいなと思います。
サルウェブ:なるほど、でも何かに貢献したいという気持ちは明確なんですね。
藤田:そうですね。あとは自分の好きなことをやりたいっていう気持ちがあります。なので、理想としては、自分がやりたいことをやって、それが何かの貢献に繋がるという形なのですが、それは難しいだろうなと感じていて。
好きなものがパッと浮かばないってことは、きっとそういったものがそもそも無いんだと思いますし、急に好きになることも多分ないだろうと思っているので。何かトライしてみて、それを好きになれれば良いなと思ってます。
Q. エージェントとの関係について教えてください
サルウェブ:BALONTOKIOの一戸さんはスペインでたこ焼き屋をやられていたりとか、サッカー以外の事業も取り組まれていると思うんですが、今後のキャリアの話などはしますか?
藤田:しますね。自分もそうやって起業してみたいなと思ったんですが、全然やり方わからないですし、一からやるよりも、一回会社に入って学ぶ方が自分には向いているかなと思ってます。
サルウェブ:そのあたりは一戸さんからアドバイスをもらったりもしますか?
藤田:そうですね。人のためになることをするために動いている方ですし、”自分の中に目的をはっきりと持っていれば自分がやるべきことが決まって行動ができる”と仰っていて、すごく学びになります。
ただ、自分にはそういったゴールのようなものがまだ無いので、誰かのためにという部分であったり、目的をはっきりと作ってからやった方がいいなと思ってます。あとは正直怖いのもありますね。
サルウェブ:そうなんですね。身近にそういった話を聞く事ができる人がいるというのは良い環境ですね。
藤田:そうですね、なにかあったら連絡はできる環境ではあります。自分がこうして色々とお話を伺えたのも僕が脳震盪になっちゃって病院にいた時の会話でしたね。
サッカー留学生という立場の苦悩
藤田:正直、選手とエージェントの距離感がどの程度かというのも難しい点であると思っていて。
渡航してからエージェントさんと会える頻度というのも渡航前にはなかなか分からなくて。
相応の金額を払ってこっちに来ている身にもかかわらず、思っていたのと違うというような状況になってしまうケースは少なくないと思うんです。
そういった部分で、留学生という立場は弱いなと感じてしまうこともあります。
もちろん自分はJリーガーになれなかった選手の1人なので、その上でサッカーを続けていく上で難しさがあることは当たり前だとは思っています。
手厚くサポートしてもらえたら理想ですけど、なかなかそういう訳にもいかないということも理解はしているつもりですし。やはり難しい状況にいるなというのは感じますね。
周りも結構若い日本人選手が多くて、寮に入っていることが多いですが、(そういった選手は)基本的に僕と似たような状況だと思います。
ただ、それに対してあまり気にしてない選手が多い気がしていて。僕が結構気にしてしまうタイプなのかもしれません。
Q. これから海外に挑戦しようと思っている選手たちに伝えたいことはありますか?
サルウェブ:同じように海外挑戦を考えている日本人選手たちにアドバイスやメッセージなどはありますか?
藤田:どういう目的で海外に行くのかを自分の中で明確に持っておくことですね。
自分にとって最適な選択が海外に行くことなのかどうか、本当に海外にいかないといけないのか。自分のやりたいことを明確にしてから行く必要があると思います。
サルウェブ:今本当に海外に行く必要があるのかという言葉が出ましたが、海外挑戦を考えている時に例えば社会人サッカーなど、日本で続ける選択肢は考えたのでしょうか?
藤田:考えたのですが、社会人サッカーを選ばなかったのは、大学サッカーの延長にしかならないかなと思ったからです。
サッカーでプロになるために日本のそういった社会人チームでプレーしてもそれが次のステップアップに繋がるのかが不安だったのと、あとはしっかりサッカーを学びたくて。日本で日本のサッカーをするのではなく、海外でプレーすることで学べることが多くあるのではないかと思ったんですよね。
純粋に、サッカーと向き合うという軸で考えた時に日本よりは海外でプレーする方が新しい成長に繋がるのではないかなと。
このように、海外挑戦する目的をしっかりと明確にすることを本当に大事にして欲しいです。
サルウェブ:とても貴重なお話をありがとうございました!