本インタビューについて
現在、フランス6部のクラブでプレーしている 中山 純希さんとの対談です。海外挑戦をサポートしているエージェントはfoot japonさんです。(以下、敬称略)
プロフィール紹介
◯名前:中山純希(Junki Nakayama)
◯出身:北海道登別市
◯所属クラブ:
→ 常盤武陽fc
→ 青森山田中学校
→ 青森山田高校
→ 名古屋産業大学
→ stade bordelais(フランス5部)
→ portes entre deux mers(フランス5部)
→ FCE mérignac Arlac(フランス6部)
Q. 中山選手のサッカー歴を教えてください
中山:サッカーは6歳か7歳くらいから始めました。兄と父がサッカーをやっていたこともあって、最初は地元のクラブに入りました。中学から青森に行って青森山田中学・高校でプレーし、大学は名古屋産業大学に所属。大学を卒業してからフランスでプレーを初めて今3年目です。
フランスでは毎年チームを変えていて、今のチームで3つ目ですね。1、2年目が5部で、今年は6部でプレーしています。
サルウェブ:海外に目を向けたきっかけなどはありますか?
中山:多分高校の時ですね。高校サッカーのプレミアリーグってあるじゃないですか。それに僕らは優勝して、イングランド遠征に行けたんです。それで海外の選手たちと戦うことができたのですが、体格とかスピード感とかが日本とは全然違っていて。そこから(海外を)意識するようになりました。
その頃からプロを目指していましたが、実力的に厳しいだろうなとも思っていました。高校でバリバリスタメンで出ていたかと言われるとそうではなかったので。
大学を経由してプロという道も考えつつ、どちらかというと海外の方が興味があったという感じです。海外の文化などに触れつつサッカーをするのは若いうちしかできないので、挑戦したいなと思ってました。
サルウェブ:海外への気持ちがある中で日本での大学進学を選ばれたと思うのですが、決断をする上で迷いなどはなかったのでしょうか?
中山:とりあえず大学は卒業しろという話を親としていたということと、(入学した)名古屋産業大学がサッカーに力を入れていて、特待生として来ないかという誘いをいただいたので、大学に入ることを決めました。
高校を卒業してすぐでお金がなかったので、海外か大学かというよりは、まずは大学に行って、自分でお金を稼いでから海外に行こうと考えてました。
Q. 海外挑戦に向けてどのような準備をしたか教えてください。
サルウェブ:大学を卒業して海外に行こうと決めてから、最初にしたことはありましたか?
中山:在学中に一度南米のボリビアに行ったんです。その時に知り合いのコーチの方が繋げてくれたエージェントさんがいたので、初めはその方と大学卒業後の話をしていました。ただ、あまり話が合わなかったんです。そんな時、当時していたバイトがきっかけで、知り合いの知り合いのような形で今のエージェントであるfootjaponさんと出会いました。footjaponさんとお話していたらフランスはどうかってなって。それでフランスに行くことにしました。
サルウェブ:ボリビアは短期留学という形で行かれたのですか?
中山:そうですね、一ヶ月だけです。冬休みみたいなオフシーズンがあったので、ちょうどその間に行ってきました。エージェントさんがボリビアを勧めてくれて、コーチにもお前はボリビアだろうみたいなこと言われたので選びました(笑)多分南米で揉まれてこい、みたいな意味があったと思います。
サルウェブ:ボリビアのサッカーはいかがでしたか?
中山:やはり南米のサッカーって結構荒くて、街もコンクリートが少なくて土っぽいところが多かったり、バスに乗ってたら携帯とか盗まれるから気をつけろって言われたり、人によっては発狂するんじゃないかなと思います(笑)
サルウェブ:中山選手は大丈夫だったんですね(笑)
中山:そうですね。水道水を直接飲んでいたら、現地の人に「私でも飲まないよ」って言われて(笑)それでも体調崩さなかったので強かったんだと思います。
サルウェブ:1ヶ月間、チームの練習に参加されたのでしょうか?
中山:そうですね、同じチームにずっと練習参加していました。そこは2部のチームだったと思います。
サルウェブ:しごかれたなという感じだったのか、通用すると感じる方が多かったのか等、サッカー的にはいかがでしたか?
中山:通用する部分が多かったです。やはり日本人はテクニックが優れてると思うんです。フィジカル的な部分は劣ってるかもしれないですが、日本人は小さい頃から基礎の部分をしっかりやるので、パスを繋いだり、ボールを取られないという点はボリビアで通用しました。
逆に劣ってるなと感じた部分は”球際の強さ”ですね。相手の足をもぎ取ってでもボールを奪うという部分は学ばないといけないと思ったところです。
自分と向き合えたフランス渡航への準備期間
サルウェブ:ボリビアを経験された上で、大学卒業後の渡航先としてフランスを選ばれているかと思うのですが、なにか経緯はありましたか?
中山:正直どこに行きたいとかはあまりなかったのですが、次に行くならせっかくだから南米よりヨーロッパがいいなとは思っていました。
サルウェブ:それで偶然foot japonさんと繋がったわけですね。
中山:そうですね。本当にたまたま繋がって話をさせてもらいました。大学のリーグ戦も終わって卒業直前だったので、4年生の2月とかだったと思います。
元々、卒業してすぐはどこかの社会人チームに入ってお金を稼ぎながらプレーしようと思っていました。コーチが海外向けのエージェントさんとの繋がりを多く持っている人だったので、最悪その人に相談しようとは思っていましたが。
サルウェブ:footjaponさんと出会ってフランス行きを決めてから、どういった準備をされましたか?
中山:お金を貯めることと並行して、体を動かすようにしてました。やっぱりサッカーをしに海外へ行きますし、(海外に)行って動けないってなったら意味がないじゃないですか。朝から夕方までほぼ1日仕事だったので、朝仕事に行く前に走ったりとか、終わった後にボール蹴ったりとか。近くに一緒にやる人がいなかったので、1人で自分に何が足りないかなど考えながらコンディションは落とさないようにしていました。
サルウェブ:今おっしゃっていた足りない部分というのは、海外挑戦を見据えて準備するべき部分を探したということでしょうか?
中山:そうですね。やはりフィジカル面は絶対に壁にぶつかるなって思っていたので、ひたすら体幹や外でできる筋トレとか、走る時もシャトルランとか、瞬発力を鍛える走りのメニューをやるようにしてました。単純に筋肉をつけるだけだと体が重くなってしまうので、筋トレした上で走れるような体を作らないといけないと考えながらやっていました。ただ、ずっと1人だったのでその時期は辛かったですね。
あとはステップワークだったり、テクニックの部分で日本人だったら小回りが利くじゃないですか。なので、そういうところで違いを出せるようにと考えてました。
準備の時間で自分と向き合えたので、余裕が持てたかなって思いますし、それが自信にもなったと思います。
サルウェブ:エージェントが準備でサポートしてくれたことや関係性はいかがでしょうか?
中山:フランスに行くための手続きは全部footjaponさんがやってくれました。ビザのために必要な書類の準備とか、フランスに来てからも、チームを決めたり仕事先を見つける部分まで、本当に細かいところまでケアしてくれました。たまに連絡を取ったりボールを蹴ったりとかするので、いい関係性だと思います。
Q. フランスでの生活について教えてください
中山:最初から現在まで学生ビザで渡航していて、語学学校に通いながら滞在しているという形です。今、働いている日本食レストランでフランスに残るためのビザを出してもらえるっていう話をしているので、語学学校を卒業後はフルタイムで働きながらサッカーをやるという形になると思います。
ちょうどフランスに来た時はコロナの影響でワーキングホリデービザを使うことができなかったのですが、今は多分大丈夫なので、そのあたりも上手く使いながら滞在するという風になると思います。
サルウェブ:アルバイトはどれくらい可能なのでしょうか?
中山:学生ビザだと20時間がマックスなのですが、今後ビザが変わったら週39時間までできるようになるので、約週5日8時間くらいですね。
サッカーのスケジュールとしては、練習が週に3回で試合が土日のどっちかなので合計で週に4回程です。
サルウェブ:現在の生活環境はいかがですか?
中山:1年目は学校の寮に住んでいましたが、2年目に引っ越して今はシェアハウスに住んでいます。シェアハウスには色々な国の人がいますね。フランス人もいますし、韓国人とか合計で7人くらいいます。1階から3階まであるのですが、個人個人が一つの部屋を持っていて、キッチンやトイレ・シャワールームが共用になってます。人はいっぱいいますけど、あんまり喋ったりはしないですね。
サルウェブ:シェアハウスに住む方それぞれ文化が違うと思うのですが、カルチャーショックを受けたことや困った事、びっくりしたことはありますか?
中山:それでいうと、断食する”ラマダン”っていうのがあるじゃないですか。日が出ている間は本当に何も食べたり飲んだりできないんですけど、断食中の選手でも普通に試合をするんです。
相手にも断食中の選手が結構いるので、試合中でも日が落ちた瞬間に、キーパーが負傷したふりして倒れて時間を稼いでみんなでバナナとか食べに行ったりするんです(笑)日本では絶対にないことだと思うので、初めて見た時は衝撃でしたね。
サルウェブ:普段フランスで生活する中で、治安や環境面で日本と違う部分や、生活していて困ることなどはありますか。
中山:フランスだとよく”マニフェスタシオン”(フランス語で抗議デモのこと)があるのですが、その影響で学校がなくなったりトラム(路面電車)が止まったり、周りを巻き込むのでそこは困ります。それもその人たちが生きるために、自分の主張を伝えるためにやっていることなので、理解はできるんですが。
環境面で言うと、綺麗ではないですけど別にそれほど汚くもないかなって思います。
治安も悪くはないです。基本的にフランス人はいい人で、喋るのが好きな人が多いですね。テラスでご飯食べたりしてると知らない人でも声かけられたりもするのですごくフレンドリーですし、そういったところはいいなって思います。
フランスの人って全然働かないって言われると思うんですけど、本当に働かなくて(笑)自分のできる仕事はここまでっていうのが割り切れてるように見えて、だから無理に必要以上のことをしない印象です。ガム食べながら接客してる人とか座りながらレジの対応する人もいて、良くはないですけど、それがフランスの人柄というか国民性なんだろうなって思います。一緒に仕事するってなると嫌ですけど(笑)でも生きるのを楽しんでいて、仕事にとらわれたくないっていう考えなのかなって感じます。
サルウェブ:全然違うんですね。その雰囲気は自分にあっていると感じますか?
中山:できればのんびりもしたいですが、僕は仕事になると結構真面目にやっちゃうので、フランス人と一緒に仕事をするとイライラしちゃうかなとは思います(笑)ただ、フランスに住むのは楽しいですね。
Q. フランスでのサッカーについて教えてください
サルウェブ:フランスに渡って最初のチームが決まるまでの経緯を教えて下さい。
中山:初めにfootjaponさんに紹介してもらったチームの練習に参加しました。せっかく行くならレベルが高いところがいいと思っていたので、5部のチームにコンタクトをとってもらったのですが、数が少なかったのと、いきなり5部でスタートするのは難しくて。最初はそこのセカンドチーム(6部)に入りました。
そこから上がればいいやって思っていましたし、実際にそれから1~2ヶ月くらいしてからトップチームに上がることができたので、結果的には良かったと思います。
サルウェブ:今お話にあったように、日本からフランスにチャレンジする時にいきなり5部、6部でプレーするのはなかなか難しいんじゃないかと思うのですが、周りに日本人選手は多いのでしょうか?
中山:僕の周りには日本人が2人いるんですが1人が7部でもう1人が6部です。ただ、試合には出たり出なかったりという感じみたいなので、やはり6部でも難しいですし、5部は相当だと思います。
サルウェブ:フランスのサッカーリーグの構造としては6部から地域ごとのリーグが広がっていると聞きました。
中山:そうですね。それで5部になるとその地域がもっと広がっていきます。4部から3部はセミプロで、リーグ・アンとリーグ・ドゥからプロになります。3部、4部のレベルでバリバリスタメンで試合に出ている人であれば、ちゃんとお金はもらえると思います。
サルウェブ:最初に練習参加した時の印象はいかがでしたか?
中山:トライアウトで入ったのは最初セカンドチームだったので正直こんなものか、と言う感じでした。ただ、言葉がわからなかったので、何言ってるんだろうというのがストレスではありましたし、そこが一番大変でしたね。
サルウェブ:言葉の面でいうと、プレーに集中できるくらいにコミュニケーションが取れるようになったのはどれぐらいからですか?
中山:半年から1年くらいでなんとなくわかるようにはなったと思います。一年以上経つと余裕ができるかなって感じです。
サルウェブ:フランスのサッカーで日本と違うところはどんなところだと感じますか?
中山:根本的にフランスの方がフィジカルを重視していて、日本の方がパスをつなぐのかなってイメージです。日本のJFLとかでプレーしてないので正確には比べられないですけど、スピード感がすごいですし、凄いゴリラみたいなフォワードがいたりとか、4部とかにいくとみんな体もしっかりしていて岩に当たってるんか、みたいな感じです(笑)
チームにはフランス人が多いです。ただ白人だけではなくて、そもそもフランスはアフリカ系の人が多いのでそういった選手たちも多いですね。
日本での経験が活かされている部分も
サルウェブ:チームのプレースタイルはいかがですか?
中山:チームによりますが、後ろからつなぐチームが増えていると思います。僕のチームもそうです。ただ、パスを繋ぐだけじゃなくて、相手がこう寄せてきたらそれで空いたスペースを使ったりとか、頭を使って効率的にプレーすることが求められるので、ただパスをすればいいという感じとは全く違います。
サルウェブ:そういったプレースタイルにシフトしてきていることは日本人にとってはプラスに働くのではないかと思うのですが。
中山:そうですね。日本人は(今のプレースタイルの方が)やりやすいと思います。
サルウェブ:フランスに来てから、自分がやれてるなと感じる部分や、周りから評価を受けている部分はありますか?
中山:ディフェンスだったりサイドだったりボランチだったり、色々なポジションができる柔軟性と、ボールを落ち着かせて丁寧にプレーする点が通用しているなと感じます。他に評価されている部分でいうと、走ることですかね。フランス人よりもちょっと愚直に走れると思います。
日本人の方がおそらく部活動とかでフィジカルトレーニングを多くやっていると思いますし、やってる数が違うと思います。中高では軍隊みたいにやらされていたので(笑)青森山田では、戦術的なところや戦う部分などサッカーの本質を学べたので、それが今生きているかなと思います。
サルウェブ:日本とフランスで練習内容に違いはありますか?
中山:僕が今年プレーしているチームはたまにすごく走るんですが、日本と比べると頻度は多くないですし、日本と比べると練習は楽なのかなって思います。練習自体は戦術的なものが多いです。組み立ての局面で、配置についた状態からディフェンスラインがボールをこう出したらボランチはこう動いて、みたいな感じとかですね。
練習の走りが少なくてちょっと足りないなって思ったら追加で動いたりしますけど、僕は”試合の走り”と”練習の走り”は違うと思っているので。走らない分ボールを使えるのでいいかなって思います(笑)
サルウェブ:今おっしゃっていた練習の走りと試合の走りが違うという点を詳しく教えてください。
中山:中学・高校の時は走りばっかりだったんです。多分それはメンタルを鍛えるためというのが大きくて、もちろんある程度走れるようにはなるんですが、それが試合にそのまま直結するかって言うとそうじゃないとは思っていて。
試合のための体力をつけるんだったら、試合の中で走るしかないですし、練習は決められた動き方しかしないので、そこが違うかなと思っています。
サルウェブ:今課題に感じていることや、新しく取り組んでいることはありますか?
中山:僕は今年ディフェンスでプレーをさせてもらっているので、守備のところでは、もっとフィジカル面をアップさせないといけないと思っています。本当はボランチとか攻撃的なポジションをやりたいんですけど(笑)
あとは、ディフェンスは結構守ってつないでという風に単調な部分が多いので、攻撃面でもっと点を取るとこに関わりたいなと思っています。結果を左右できるような決定的なパスだったりシュートだったり、そういったプレーの質を高めていきたいです。
サルウェブ:現在はサッカー自体で試合給や勝利給などをもらっているのでしょうか?
中山:試合給と出場給があって、試合に出たり勝つと給料がもらえる形です。同じ6部でももらえないチームはあります。
サルウェブ:今年で3年目、そして3チーム目ということでしたが、毎年チームとの契約が終わるたびに新しいクラブにチャレンジしているということでしょうか?
中山:初年度にいたチームが5部で優勝したのですが、その時に試合には出られたり出られなかったりで。そのまま4部に上がってもあまり出場できないかなと思ったんです。
なので、別の5部のチームに移籍させてもらおうと思って、知り合いを通じて他のチームの監督に聞いてもらいました。来てくれるなら欲しいという風に言ってくれたので、トライアウトというよりは実績をみて加入を認めてくれました。今のチームも監督から直接誘ってもらえたので、トライアウトのような形だったのは最初のチームだけですね。
サルウェブ:監督から直々にオファーをもらえた方が待遇が良いのでしょうか?
中山:そうだと思います。誘ってもらうのと、自分から行きたいという場合では交渉のしやすさが全然違いますね。
サルウェブ:そうすると実績を積んでいることが凄く武器になりますね。日本サッカーと比べてレベル感はいかがでしょうか。
中山:5、6部くらいだとJFLくらいのレベル感なんじゃないかと思います。4部からレベルがグンと上がって、J3くらいのレベルになるので、そこが一つの壁かなと思います。日本人にとって5部でもレベルは高いですけど、4部ってなるともっと難しいと思います。
Q. 今後の目標について教えてください
サルウェブ:今後について、描いているビジョンなどがあれば教えてください。
中山:今のチームが今年6部で優勝したのでプレーオフがあるのですが、それに勝つと5部に上がれるんです。なので短期的な目標としてはまずはそこで勝つことですかね。
自分としては5部以上でやりたいなとは思っていて、もちろんリーグ・アンとかリーグ・ドゥでやりたい気持ちはあるんですが、そんなに簡単じゃないですし、5部に行けたらそのあとは4部、4部に行けたらそのあとは3部、という形で少しでも高いレベルでプレーしたいと思っています。
サルウェブ:海外挑戦をする前後で変わったなと思う部分はありますか?
中山:メンタル面ですね。日本にいた時は周りの目を気にしていたように感じます。自分の決断に対して「これでよかったのかな?」と疑問を持っていたんですが、今は「自分がしたいことをするのが正解」ということを確信できた点が大きく変わりました。
これは、(フランスで生活する中で)周りの人から影響を受けていると思っていて。フランスでは、色々な考え方をする人がいる中で”自分がこうしたいからこうする”という自分の好きなものに対して素直な人が多いですし、それに感化されたなと感じます。
サルウェブ:プレー面ではいかがでしょうか。何か変わったなと思う点はありますか。
中山:プレー面に関しても変化したのはメンタルだと思います。日本にいた時はミスをしないようにプレーしていたんです。今ももちろんミスをしないことは前提なんですが、何か結果を出さないとやっぱ上にはいけないわけで。
ボールを取られるって思っても、リスクを負ってやらなきゃいけなかったりとか、フランス人からしたら自分は外国人なので、そこのハンデを差し引いても使ってもらえるような選手にならないといけないと思って今はプレーしています。
サルウェブ:よりチャレンジすることや、結果を求めるという点が強くなったんですね。ゆくゆくは日本に帰ってきてプレーすることも考えていますか?
中山:今はないですね。フランスで行けるとこまでやりたいなと思ってます。
Q. これから海外に挑戦する選手たちにメッセージをお願いします
中山:僕が一番苦労したのが言語の部分なので、海外でやるのであれば、ある程度は言語を勉強した方がいいと思います。
その上で、絶対に壁にぶち当たると思うので、その時に自分がやってきたことを思い出して、自分を信じて我慢して花開くのを待つことが大事だと思います。
サルウェブ:ちなみに、海外に挑戦するときに就職をするかどうかという悩みは当時なかったでしょうか?就職するのか、海外にチャレンジするか、悩む選手は結構多いと思うのですが、このあたり中山選手としてはいかがですか?
中山:今考えればアホなんですけど、僕の場合は何も考えてなかったですね(笑)
僕の考えですが、海外挑戦なんて若いうちにしかできないじゃないですか。
就職したら確かに安定はするかもしれないですけど、多分海外挑戦しなかったことを後悔すると思います。
(海外挑戦して)通用しなかったら自分の実力が分かってそれで諦めもつくと思いますし、その後でもなにかしら働き口はあるとは思うんです。
逆に言えば、それぐらいの気持ちがないと正直海外で戦うのは厳しいんじゃないかなって思います。
(渡航してから)絶対キツイ場面はありますし、その時に「やっぱり就職しておけばよかったな」っていう考えも浮かんじゃうと思うので。
サルウェブ:ありがとうございます。最後に何か言い残したことなどはありますか?
中山:そうですね、日本食はちゃんと買っといた方がいいです。こっちだと高いので、調味料とか味噌汁、カレーのルーとか、僕は持っていかなくて後悔したので絶対持って行った方がいいです(笑)
サルウェブ:貴重な情報ですね!中山選手、ありがとうございました!